犬の乳腺腫瘍が破裂したらどうなるの?症状・原因・緊急時の対応と治療

犬の乳腺腫瘍は、中高齢の雌犬に多くみられる病気です。
乳腺(お腹から胸にかけて並ぶ乳頭周囲)にしこりとして触れることが多く、良性と悪性の両方があります。
良性か悪性かは、見た目だけで判断することは難しいとされています。
初期には小さなしこりとして見つかることが多いですが、時間の経過とともに大きくなり、皮膚に影響を与えるケースも。
その中でも注意が必要なのが「腫瘍の破裂」です。

本記事では乳腺腫瘍の破裂について、症状や原因、治療について解説します。
最後までお読みいただき、犬の腹部のしこりや異常に早く気づけるようになりましょう。

乳腺腫瘍の破裂とは?

犬の乳腺腫瘍が大きくなると、皮膚が引き伸ばされて血流が悪くなり、表面がただれたり壊死を起こすことがあります。
その結果、皮膚が破れて出血や滲出液が出る状態、いわゆる「破裂」に至ることがあります。

破裂した腫瘍は見た目にも痛々しく、出血や感染を伴うことも多いです。
においが強くなったり、膿のような分泌物が出ることもあり、犬にとっても大きな負担となる状態です。

お腹を見せてソファで寝る犬

乳腺腫瘍が破裂したときの症状

腫瘍が破裂すると、次のような変化がみられることがあります。

  • しこりの一部が裂けて出血する
  • 膿や滲出液が出る
  • 強いにおいがする
  • 腫瘍部分を気にして舐める
  • 元気や食欲が低下する

破裂した部分は細菌感染を起こしやすく、炎症が広がることで痛みや発熱を伴うこともあります。
状態によっては全身状態にも影響が出るため、注意が必要です。

ラグで寝る犬

破裂した場合に注意すべきこと

乳腺腫瘍が破裂した場合、自宅で様子を見ることはおすすめできません。
出血や感染が進行する可能性があり、状態が急速に悪化することもあります。
また、「破裂して中身が出たから良くなるのでは」と考えられることもありますが、腫瘍そのものがなくなったわけではありません。

むしろ、感染や炎症が加わることで治療が難しくなることもあります。
気づいた時点で、できるだけ早く動物病院での診察を受けることが大切です。

動物病院と犬の置き物

動物病院で行われる検査

乳腺腫瘍が疑われる場合、まず行われるのはしこりの大きさや数、広がりなどの確認です。
そのうえで、必要に応じて病理検査(細胞診など)や画像検査(X線、超音波検査など)を行い、腫瘍の性質や転移の有無が評価されます。
破裂している場合には感染の程度や全身状態もあわせて確認し、治療の優先順位が判断されます。
最終的な良性・悪性の診断には、外科的に摘出した腫瘍を病理検査で詳しく調べることが必要です。

外科的治療の重要性

乳腺腫瘍の治療では、外科手術による切除・摘出が基本となります。
特に破裂している場合は、感染や炎症が進行する前に腫瘍を取り除くことが重要です。
腫瘍の大きさや位置、数によっては、周囲の乳腺組織や皮膚を含めて広い範囲で切除が行われることがあります。
これは再発のリスクを下げるために必要な処置です。
破裂している腫瘍は組織がもろくなっていることも多く、通常よりも慎重な手術計画が求められます。
そのため、外科的な経験や知識が豊富な動物病院に相談すると良いでしょう。

早期発見・早期治療が重要です

乳腺腫瘍は小さいうちに発見して手術を行うと、体への負担が抑えられやすいです。
一方で、放置してしまうと腫瘍が大きくなり破裂や感染を引き起こすリスクが高まります。

また、悪性腫瘍の場合は転移のリスクもあるため、早い段階での対応が予後に大きく関わります。
日頃から犬のお腹や乳腺のあたりを触ってチェックし、しこりに気づいた場合は大きさに関わらず早めに相談することが大切です。

まとめ

犬の乳腺腫瘍は比較的よくみられる腫瘍ですが、進行すると破裂し出血や感染を伴うことがあります。
破裂した状態は犬にとって負担が大きく、早急な対応が必要です。
乳腺腫瘍は見た目だけで良性・悪性を判断することができないため、しこりに気づいた時点での受診が重要になります。
特に外科的治療が必要となるケースが多いため、経験のある動物病院で適切な診断と治療を受けることが、犬の生活の質を守ることにつながります。

当院は乳腺腫瘍をはじめ、軟部外科に力を入れております。
「しこりがある」「皮膚がただれている」といった変化に気づいた場合は、様子を見ずに早めにご相談ください。

よくあるご質問(Q&A)

Q.犬の乳腺腫瘍が破裂した場合は腫瘍がなくなったということですか?

A.犬の乳腺腫瘍が破裂しても、腫瘍そのものがなくなるわけではありません。
むしろ、感染や炎症が進行しやすくなり、状態が悪化することもあるため、早めの受診が重要です。

Q.犬の乳腺腫瘍が破裂した場合は、すぐに動物病院へ行ったほうがいいですか?

A.犬の乳腺腫瘍が破裂している場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
出血や感染が進行すると、痛みや発熱、食欲低下など全身状態に影響することもあります。

Q.犬の乳腺腫瘍は小さいうちでも手術したほうがいいですか?

A.犬の乳腺腫瘍は、小さい段階で治療を行うことで身体への負担を抑えやすくなるため早めの手術がおすすめです。
また、悪性腫瘍だった場合でも、早期治療によって予後改善につながる可能性があります。

熊本県玉名市六田
あらたま動物医療センター