猫の鼻にも腫瘍ができるの?症状や受診の目安を解説

「猫の鼻に腫瘍があると言われた」
「以前から鼻水が出ていた猫の鼻の形が変わってきた気がする」
「猫の鼻から鼻血が出ていて腫瘍ではないか心配」
このようなことを経験したことはありませんか?
猫の鼻水やくしゃみは比較的よく見られる症状なので、少し様子を見ようと考えるかもしれません。
しかし、長く続く鼻水やくしゃみなどの症状の背景には、鼻の腫瘍が隠れていることもあり注意が必要です。

この記事では、猫の鼻にできる腫瘍の種類や症状などについて解説します。
最後まで読んで、猫の鼻に気になる症状があるときに動物病院を受診する目安として役立ててください。

猫の顔のアップ

猫の鼻の腫瘍とは

猫の鼻の腫瘍とは、鼻の穴から奥に広がる鼻腔や、鼻の組織などに異常な細胞が増える病気です。
猫の鼻腔にできる腫瘍は多くありませんが、発生した場合には悪性腫瘍である割合が高いとされています。
鼻腔は外から内部の状態を確認しにくいため、腫瘍が小さい段階では見た目に変化がない場合も少なくありません。

猫の鼻の腫瘍は鼻の奥だけではなく、鼻先の皮膚に腫瘍ができることもあります。
猫の鼻のしこりや腫れに気がついた時は、動物病院で詳しく調べてみるのが良いでしょう。

猫の鼻の腫瘍にはどんなものがあるの?

猫の鼻には、さまざまな種類の腫瘍が発生します。
代表的な猫の鼻の腫瘍には以下のようなものがあります。

  • リンパ腫
  • 腺癌
  • 扁平上皮癌
  • 肉腫

以下に詳しく説明していきましょう。

リンパ腫

リンパ腫は、リンパ球という免疫に関わる細胞が腫瘍化する病気です。
猫の鼻腔内に発生する腫瘍の中でも、比較的よく見られる腫瘍のひとつです。
猫の鼻腔内にリンパ腫が広がると、鼻水や鼻づまりなどが起こります。

リンパ腫は外科的に取り除くだけではなく、放射線治療や抗がん剤治療などが必要になることもある腫瘍です。
どの治療が適しているかは猫の状態によって異なるため、確定診断を行ったうえで猫に合わせた治療方針を決める必要があります。

腺癌

腺癌は、鼻腔を構成する上皮などから発生する癌のひとつです。
腺癌が大きくなると猫の鼻の中をふさぎ、呼吸のしにくさなどを引き起こすことがあります。
周囲の組織や骨に広がると、猫の鼻の形が変わったように見えることもあるため注意が必要です。

腺癌などの腫瘍が鼻の奥に出来てしまうと外から見ただけでは広がりを判断できません。
CT検査などで腫瘍の位置や大きさを確認し、病理組織検査によって腫瘍の種類を調べてから治療方法が検討されます。

扁平上皮癌

扁平上皮癌は、皮膚や粘膜を構成する扁平上皮という細胞から発生する悪性腫瘍です。
鼻腔内に発生する場合もありますが、猫では鼻先の皮膚に扁平上皮癌が出来ることもあります。

扁平上皮癌の初期にはかさぶたができる、小さな傷が治らないといった変化が現れることがあります。
単なる引っかき傷のように見えるため、長期間様子を見てしまうこともあるかもしれません。
猫が鼻先の傷やただれを繰り返す場合には、早めに動物病院で確認してもらいましょう。

肉腫

肉腫は、骨や軟部組織などを構成する細胞から発生する悪性腫瘍の総称です。
肉腫はリンパ腫や癌腫ほど発生率は多くありません。
肉腫が鼻腔内で大きくなると鼻づまりなどが起こり、周囲の組織へ広がれば顔の形に変化が出る場合もあります。
肉腫を確定診断するためには、病変の一部を採取して調べる病理組織検査が必要です。

猫ベッドから顔をだす猫

猫の鼻に腫瘍ができると見られる症状

猫の鼻の腫瘍では、初期には一般的な鼻炎とよく似た症状が現れることが多いです。
腫瘍が大きくなったり周囲へ広がったりすると、症状が強くなっていく傾向にあります。
特に次のような変化には注意しましょう。

  • 鼻水が長く続く
  • くしゃみを繰り返す
  • 鼻血が出る
  • 鼻づまりやいびきのような呼吸音がある
  • 鼻や顔の形が変わる

これらは軽度なら鼻の腫瘍だけに見られる症状ではありません。
そのため、よくある鼻炎かもしれないし、様子を見ても良いかな?と迷われるかもしれません。

しかし、鼻水やくしゃみを繰り返す、治療をしても改善しないといった場合には、鼻の奥に病気が隠れていないか調べる必要があります。
顔の腫れや呼吸のしにくさまで見られる場合には、できるだけ早めに動物病院を受診してください。

猫の鼻の腫瘍に対する外科治療

猫の鼻にできた腫瘍は、腫瘍の種類やできた場所によって外科手術が治療の選択肢になります。
特に鼻先にできる腫瘍では、腫瘍の広がりに応じて病変とその周囲を切除する手術が検討されます。
鼻の奥にある鼻腔内腫瘍は、周囲に重要な組織が多く、すべての腫瘍を外科手術で取り除けるわけではありません。
鼻腔内の腫瘍では、外科手術よりも放射線治療や抗がん剤治療が中心となります。
そのため、CT検査や生検などによって腫瘍の位置や種類を確認することが重要です。
手術ができる腫瘍なのか、どこまで切除する必要があるのかを判断するためにも、鼻の腫瘍が疑われた段階で詳しい検査を受けることが大切です。

窓辺で上を見上げる猫

まとめ

猫の鼻水やくしゃみはよく見られる症状ですが、その原因のひとつとして鼻の腫瘍があります。
猫の鼻には腺癌や扁平上皮癌などの悪性腫瘍が発生することがあります。
猫の鼻の腫瘍は初期には鼻炎との違いが分かりにくく、見た目だけで腫瘍かどうかを判断することはできません。
特に鼻水がなかなか治らない、鼻づまりが強くなっている場合には注意が必要でしょう。
猫の鼻の腫瘍は種類や発生場所によって治療方法が大きく異なります。
長期間続く猫の鼻水やくしゃみなど、気になる症状を長期間そのままにしないことが大切です。

当院では猫の鼻の腫瘍に限らず、さまざまな外科疾患の治療に力を入れています。
猫の鼻に気になる症状が続いている場合や、不安なことがあれば、当院までお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q1. 猫の鼻水やくしゃみが続く場合は腫瘍の可能性がありますか?

猫の鼻水やくしゃみが長く続く場合には、鼻の腫瘍が隠れている可能性があります。
特に治療をしても改善しない場合には、鼻の奥に病気がないか詳しく調べることが大切です。

Q2. 猫の鼻の腫瘍ではどのような症状が見られますか?

猫の鼻に腫瘍ができると、鼻水やくしゃみ、鼻血、鼻づまりなどが見られることがあります。
腫瘍が大きくなったり周囲に広がったりすると、鼻や顔の形が変わることもあります。

Q3. 猫の鼻の腫瘍は手術で治療できますか?

猫の鼻の腫瘍は、種類やできた場所によっては外科手術が治療の選択肢になります。
一方、鼻腔内の腫瘍では放射線治療や抗がん剤治療が中心となることもあるため、CT検査や生検などを行ったうえで治療方針を検討します。

熊本県玉名市六田
あらたま動物医療センター